運航整備のミッションは、1便1便にご搭乗いただくすべてのお客さまとそれを支える全ての働く仲間に「安心」を提供するために、航空機を安全で最高の機材品質につくり込むことです。
しかしながら、運航整備部門の整備士に与えられる時間は、航空機の到着から出発までの時間と夜間駐機中の限られた時間のみです。
この限られた整備機会を十分に活かすために、運航整備部門の整備士は、「航空機から送られてくる多種多様なデータ」「お客さまや運航乗務員、客室乗務員、グランドスタッフが感じるわずかな違和感や気づき」など、さまざまな情報を組み合わせ、航空機が異常や故障に至る前に整備を行う「予防整備」に注力しています。
また、屋外に駐機する航空機に対して整備を行う機会も多いですが、それぞれの整備士がIT通信デバイスを駆使し、航空機の状態確認やオフィスのサポート部門とリアルタイムで連携することで、さまざまな不具合に対して、迅速かつ的確に対応しています。
運航整備部門で働く整備士は、国家資格である「一等航空整備士」を取得し、その後社内資格である「ライン確認主任者」を取得したうえで、高度な専門技術と高いコミュニケーションスキルを日々研鑽し続け、誇り高い技術者として「安全・安心」な一便を提供するプロフェッショナル集団なのです。
航空機の整備作業を行うには、航空機の安全な飛行に必要な重要かつ複雑で多岐にわたるシステムを熟知していなければなりません。 しかし最新の航空機は、多様な最新テクノロジーが搭載されており非常に奥が深く、一人の整備士が全ての分野を熟知できるものではありません。
機体点検整備では、機体システム・電気装備品・客室装備品・機体構造・塗装のスキル毎に細分化されており、各々が各分野の専門家として高度な技術とチームワークで確かな品質をつくり込んでいます。
機体点検整備が主に担当するのは、通常1~1年半(飛行時間5000~7000時間)毎に実施する定期整備です。約1~2週間にわたり毎日100人もの整備士達が機体を隅々まで分解・点検しています。
また不具合を未然に防ぐための改修作業や、機体を保護し美しく保つための塗装作業を行っています。こうした一つ一つの整備品質が飛行機の安全のベースとなる重要な部分です。
機体点検整備は、お客さまと直接接する機会は少ないですが、常にお客さまのことを思いながら最高の「安全性」と「快適性」を提供するために、強力なチームワークで整備品質を支えています。
エンジン整備センターでは、主にJALグループ航空機用エンジン整備とその部品の分解・組立・試運転・修理・検査・洗浄・を実施しています。
エンジンメーカーと共に適正な整備深度を見極め、これまでに品質の高いエンジンを1万台以上生産しています。
実際の作業では、エンジン構成部品を単体まで分解し、エンジンブレード 1枚 ボルト 1本まで検査して自社修理可能な部品を修理・点検し、組立・試運転まで実施しています。
エンジン型式としては、PW4074/4077型・PW4074D/4077D/4090型・CF6-80C2系列型・GE90-94B型・GE90-115B型・Genx-1B系列型・CFM56-7B系列型のエンジンの作業をしています。
整備士としてのマインド(心得)マナー(基本動作)を学び活用し、意識・スキルを向上させ、常に、高品質で安全な航空機(エンジン)をお客さまに提供します。
「整備魂により、新しいJALを創造し、お客さまに最高のサービスを提供します。」
装備品整備では、航空機から取り外して整備を行う部品のうち、エンジン以外のほぼ全ての部品の整備を担当しています。
整備対象としている部品は、航空機の脚部や動翼といった大きなものから、機内エンターテイメント機器や飛行・操縦に用いられる計器類まで、さまざまな部品の整備を行っています。航空機の整備作業は大きく分けて2つあります。
1つ目は不具合発生時に行われる、トラブルシュート(不具合の原因究明)と修理を目的とした整備です。
2つ目は、まだ不具合が発生していなくても、部品ごとに決められた期間使用した場合、その部品をネジ1本まで分解検査、必要に応じて修理を行い、要求される性能を維持させることが定められています。これを予防整備といいます。
当センターでは、上記のような理由で航空機から取り外された部品を分解・検査修理し、再び航空機に使用可能な、健全な部品にするための整備作業を行っています。
上記JALグループの整備業務以外にも、国内外問わず世界中50社以上の会社から運航整備、機体点検整備、エンジン整備、装備品整備を受託しています。当社の整備品質は世界的にも高く評価され、各国の航空局の認可を取得しております。整備受託業務は、高品質な整備で日本の空の安心を支え、海外の航空局や各社エアラインと接することができるグローバルな仕事です。
当社が保有する主な航空局認定